『ここにコラムが入ります。』vol.2

お世話になっております。
髙橋でございます。
令和7年も2月の中盤になりました。
「そろそろまた雑煮でも食べたいな。」
と、誰しもが思う時期です。
雑煮の話になると大抵出てくる話題としては、”餅は焼く派か焼かない派か?”です。
盛り上がりの耐久時間としては1分程度ではないでしょうか?
ではなぜその話題が初めに交わされるのか?
他に話題がないから。
と云うのも、私の住む木更津は、多くの住民が生まれも育ちも木更津なので、雑煮の調理法に差異はなく、概ね昆布と鰹で出汁をとり、鶏肉、里芋もしくは八頭、人参、小松菜を出汁に入れて煮て、最後に濃い口醤油で味付けし、餅を入れて完成。という関東のオーソドックスな雑煮でしょう。なので、差異としては”餅を焼くか?”くらいになるわけです。
東京などの、さまざまな地域からやってきた人たちで構成される街だと、”出汁は何でとるのか?”、”そんな具材を入れるの⁈”など、差異が色々あるので、話題は尽きません。
そして話題はその人の出身地に移り、地元時代の話を深掘りしていき、その人のパーソナリティーが露わになっていきます。さらに正月に実家に帰省なんかしていた日には、その人の現在の出身地へのスタンスも加わり、とても豊かな会話が成立します。
雑煮はコミュニケーションの端緒として有能である。
では同質同士の”餅”からどのように深掘りしていくのか?
もちろん餅です。
”餅へのスタンスの差異”の解像度を上げていくわけです。
”どうやったら餅を上手に焼けるのか?”、”魚焼きグリルで焼くのか?トースターで焼くのか?”誰が餅担当なのか?”と解像度は上がっていきます。
そしてそれぞれのトピックに”なぜそうなのか?”と…。
ここで始末が悪いのが、「わたし、食べるだけだからわかんない」です。
たいていこの手の話は街の呑み屋で繰り広げられますので、成人が対象になります。
成人にもなって雑煮に関与しないというのは、それはそれでその人の”何か”を炙り出す作用があると思います。
「うちの人はなーんにもやってくれないよー」というやつに繋がっていきます。
最終的には、アルコールも入っているので、泣き出す人、怒り出す人、つまらない話で眠りだす人と、その場はカオスになっていきます。
そして会話が煮詰まった頃、皆家に帰っていきます。
雑煮は何かを炙り出す。
今年の冬は暖かいですね。
暖冬です。
2022年1月は、木更津も積もるほど雪が降りました。
たまにしかスタッドレスタイヤの効用を味わえない私は、嬉々として走り回りました。
その時に撮った写真をご覧いただきながら今回のコラムを終わりにしたいと思います。
街灯です。
ちなみに私は、餅は焼く派です。
2025.2.16

『海と山と街と』編集長
(株)スカイハイプロダクション代表取締役 兼グラフィックデザイナー