海と山と街と写真と 富津市鋸南町保田

まだまだ酷暑が続いていた2024.9.14、私は写真を撮るために南に向かった。
木更津の自宅を出たのは、やっと太陽が傾き出した午後4時。
君津ICから館山道に入り、特に考えもなく鋸南保田ICで出た。
とりあえず保田海岸まで行って考えることに。

海岸には、午後5時くらいに到着。
まだ海水浴を楽しんでいる人がいるのだから暑いわけだ。

いつものCONTAX RTSⅡにCarl Zeiss Distagon 2.8/28を装着し、Kodak Portra 400を装填した。
そしてDJI Pocket 2のワイヤレスマイクに、RODEのラベリアマイクを接続し、シャツの襟部分へ。
Peak DesignのカメラバッグとPORTARのウエストバッグを襷掛けにして、車を出た。

私は太陽がかなり傾いた光が好きなので、時間としてはベスト。
天気も、白い雲が多めで実に残暑らしくベスト。
海岸の駐車場に漂うダルな空気も。

そんな環境だからか、1枚目からなかなかの写真が撮れた。

観光用のトゥクトゥクなのだろうか?
とても景色に馴染んでいる。
逆光で車体が主張しすぎていない感じが絶妙だ。

海岸から内陸に向かって歩く。
国道127号線”保田シケイン”に出る。

見事なS字を描いたシケインである。
私が高校生の頃、友達たちとオートバイでよく白浜にツーリングに行った。
その時この保田シケインで、どこまで車体を傾けられるか?を競っていた。
とても思い出深い。

どんどん歩く。
すでに鄙びた光景がたまらない。
JR内房線保田駅を反対側へ行こうとした時の写真がこれである。

雑な舗装の道。
生活感の出方が絶妙だ。
映画のセットにさえ見える。

当然、踏切はヨリも撮る。

…。
自転車だ。
自転車が通ったのである。
しかも中学生だろうか?高校生だろうか?
若い女性。
生きた街だということを感じる。
手前の木の電柱も良い。

どんどん歩く。
気温は一向に下がらず、とても暑い。
熱中症を気にし出す。

狭い生活道路は、両端を生垣で塞がれている。
それが突然広い空き地が出現し、視界が広がった。

抜けた先には線路のパンタグラフのシルエットが。
アングルを変えてみたら、空き地に軽自動車が停まっている。
軽自動車は実に田舎らしいアイテムのひとつ。
絶妙な位置に花が植えられていて、軽自動車のナンバーを隠してくれている。
ちょうど軽自動車を境に光が当たっている明暗が良い。

どんどん歩く。
道端の草が元気よく茂っている。
突然よくわからない建造物が現れるのも、実に田舎なのである。
自然とのコントラストがたまらない…。

こういうプラスチック系のものも、何かを感じさせる。

こちらはアスファルトの継ぎはぎ具合、色の褪せた看板、生い茂る雑草の配分が素晴らしい。

このフィルムの最後は、普段あまり撮らない向日葵を。
雑多な中に咲く小ぶりな向日葵が、夏の夕暮れの気怠さを物語っている。

この後、フィルムチェンジして、またどんどん歩く。
変わらず、汗は滝のように流れている。

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